オールオンフォーのデメリットは失敗リスク?
成城のインプラント医の平澤です。
オールオンフォー人気ですが、デメリット
もよく確認しておきたいですね。
当院でも数年前までオールオンフォーを
行っていましたが、今では取り扱っていません。
その理由としては
「インプラント周囲炎にかかりやすく、
耐久性も低いため長く持たないだろう。」
と判断したからです。
完全に失敗するということはありませんが、
うまくいったケースでも他のインプラント治療例と
比較して周囲炎にかかりやすいです。
またザイゴマインプラントを多用するのですが、
これが周囲炎になると目も当てられない状態になる場合があります。
また入れるインプラント本数も少ないので、
ダメになった場合のリカバリーもキツイですね。
「10年持てば良い」ぐらいであれば検討されても良いと思いますが、
長持ちさせたいと思っている当院の方針には合いませんでした。
オールオンフォーの特徴である安い・早い・キレイに迷わされず、
デメリットにも目を向けてほしいです。
インプラントによる表面性状の格差
インプラントメーカーによる格差はないと
言われていますが、実際にはあります。
すぐダメになるというのはさすがに不良品扱いになるので
ないのですが、後からダメになりやすいといったような
メーカーはあります。
特にインプラントの表面性状は格差を生みやすいです。
表面をどのように加工するかはインプラント周囲炎の抵抗力に関係すると思います。
しかもこれらは各社の特許技術になるので、コピーすることは出来ません。
そのため、インプラントメーカー間の格差を生んでしまうのです。
その点、後発国産メーカーは不利です。
海外メーカーですとある程度他国で実際に使われて
問題なかったと実績があるというメリットがあります。
国産ですともちろん国内大学病院などで
十分なテストを受けていますが、
メーカーがらみのテストなので信用度は疑問符が残る
と思っています。
以前、ゴルフの上手な人で新しいクラブが出ても保守的で
なかなか変えないという記事を見たことがあります。
ゴルフクラブなら変えて失敗したら戻すことは簡単ですが、
インプラントはそういう訳にはいきません。
そうなるとメーカーは表面性状の開発力がある会社に集約していく
のではないかと個人的に思っています。
ソケットプリザーベーションの必要性
最近ご相談を受けたケースで
ソケットプリザーベーションの必要性を前の歯科医院で
聞いたけど、どうなんでしょうか?
という質問を受けました。
ソケットプリザーベーションとは
ソケット(抜歯窩 つまり抜いた穴)を
プリザーベーション(保存)する治療方法です。
つまり今後インプラント治療を予定されていて
歯を抜いたままでは骨の状態が悪くなるので
インプラント治療がやりにくくなる。
そこで歯を抜くのと同時に人工骨等で骨を出来やすく
しようという方法です。
正直ソケットプリザーベーションを積極的にされている
歯科医院は少ないと思いますが、好きな先生は好きです(笑)
後からインプラントを入れるのが困難になるから
という理論からと思いますが、個人的にはあまり実施していません。
理由としては
1.抜歯同時に行う必要があるので、感染リスクあるので心配
2.抜歯窩にも治癒能力があるのでそれとの成果の違いが明確でない
3.あとから外科的に骨造成するほうが実践的で患者さんから理解を得やすい
4.どうしても同時にやりたいならインプラント埋入とGBRまで行う
といった理由からです。
結局のところ、治療自体は簡単ですが中途半端感からか
実際にはあまり実践しない治療になっています。
「インプラント調子良いです。」
成城のインプラント医の平澤です。
ずいぶん前に奥歯にインプラントをお入れした患者さん。
今日は歯肉炎でいらっしゃいました。
歯肉炎はたいしたことなかったのですが、
インプラントを指して一言。
「インプラント調子良いです。」
この方はブリッジが壊れて、一度入れ歯をお入れしてました。
その入れ歯も調子が良いと伺ってました。
しかしある時「やっぱりインプラントにしたい」
とのご要望になることに。
私たちには調子よいと言っていたインプラントですが、
面倒なことも多かったのではと思います。
今でも油断せず、定期的に検診に来て頂いている方なので
長持ちしそうです。