インプラント トラブル報道の解釈と反論
今日インプラント報道がありました。
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インプラント歯科医6割「トラブル」...学会が指針作成へ
毎日新聞 6月25日(月)0時26分配信
あごの骨に金属製の人工歯根を埋め込んで人工の歯を取り付けるインプラント治療で、治療している歯科医の6割が何らかのトラブルを経験していたことが、日本歯科医学会の初めての全国調査で分かった。手術設備や治療前の検査にもばらつきがあった。同学会は調査結果を基に、インプラント治療のガイドライン作りを始める方針だ。
インプラント治療は、入れ歯よりも自分の歯のように強くかめる半面、治療を巡るトラブルがあとを絶たない。日本歯科医学会は3月、全国の歯科医師会を通じて歯科診療所の医師1000人に調査票を送り、423人から回答を得た。
その結果、この治療に取り組む289人のうち、60.8%が治療による何らかのトラブルを経験していた。具体的には▽人工歯の破損が67.5%▽インプラント周囲の炎症が55.4%??などだった。また、4人に1人が「神経のまひ」や「異常出血」などの重い医療トラブルを経験していた。手術を手術室でするかや治療前の検査内容にばらつきがあることも分かった。
インプラント治療はほとんどが自由診療でこれまで治療のガイドラインがなかった。調査を担当した栗原英見広島大教授は「他の歯科診療所の取り組みを知る機会を設けるなど、ガイドラインが守られるための仕組みも作りたい」と話している。【斎藤広子】
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この報道を読んだとき、
「インプラントってトラブルがつきものの怖い治療なんだ?」
と誤解してしまう人もいらっしゃると思う。
まず歯科医6割トラブルということですが、
まったくトラブルを経験していない方が4割という意味で
少しでも経験すれば6割の中に入るという意味に解釈できる。
どんなことでも仕事として従事していれば
教科書どおりいかないこともある。
当院のように他医院からのトラブルのリカバリーが多い場合もある。
つまり
「インプラントの6割がトラブル」という意味ではない
実際のインプラント総数に対するトラブル割合は
掲載されていないので把握できないが
かなり少ないと思われます。
また良く読んでみるとトラブルの種類と内容が問題です。
「人工歯の破損が67.5%」
とあるがこれは長持ちしている歯ならばある程度は
避けられない問題ともいえます。
人工歯とはインプラントに被せた歯の部分なので
何十年も使っていたり、噛みあわせのきつい方の場合
毎日使っていればひびが入ることもある。
これらは白いセラミックに限局した問題なので、
金属の歯を使えばトラブルフリーです。
いずれにしても統計データであるので、間違ったデータではないと思いますが
その意味というのを誤解しない確かな目が必要と思います。
われわれもそういった誤解を生まないように
日々研鑽していかないといけない。