インプラント手術で死亡事件
患者様から問い合わせがあったので
2007年にインプラントで死亡した事件について
書きたいと思います。
asahi.comより引用
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歯科医を書類送検へ インプラント手術で業過致死容疑
東京都中央区の歯科医院で2007年、インプラント手術を受けた患者がその後死亡した事故で、警視庁は1日にも、施術した60代の経営者の男性歯科医を業務上過失致死容疑で書類送検する。手術中に注意を怠って口内の動脈を傷つけ、死亡を招いたと判断した。
捜査関係者らによると、都内の会社役員の女性(当時70)は07年5月22日午後、下あごの右奥歯の手術を受けている最中に具合が急変。近くの総合病院に運ばれたが翌23日午前に死亡した。捜査1課が調べたところ、右奥歯の人工歯根を埋め込むために開けた穴があごの骨を貫通して、その下の動脈が切れており、死因は出血などによる窒息と判明した。
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不幸にして亡くなられた患者さんのご冥福を祈ります。
この事件が与えたインパクトは大きいものがありました。
しかし、この事件を聞くと さもインプラントが危険な治療という
間違った印象を与えかねないと心配になる。
事実、インプラントの出血死した事件は今までこの一件のみ
ですから、インプラントの普及度合いから見ると
極めてレアなケースと言えます。
まず事件の原因となった、顎の骨の貫通ですが
顎の骨というのは表面が硬く、中はスカスカしていることが多い。
そのため古くからインプラントしている歯科医には
インプラントをしっかり固定するため、表面の硬い部分を
有効利用して貫通させるようにドリルする方が結構いる。
そのため手が滑ると貫通させた先にある神経や血管を
傷つけて今回のような事件に至る危険がある。
しかし、私が使用しているような最新のインプラントでは
そのようなリスクを犯さなくても、貫通させずにしかも
インプラントはしっかり固定できるようになっている。
そのため事件と同様と方法で行ったことは一度もない。
患者さんもそこまでのリスクをとってまで
インプラント治療を受けたくないだろうと思う。