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インプラントの骨移植をする際に、人工骨と牛骨で違いはありますか?

インプラントに使われる人工骨には下記のような違いがあります。

方法・材料 特徴

自家移植


自分の骨の余っている部分から移植する方法

感染などのリスクはゼロのため一番安全

移植した骨と既存の骨とのなじみが良く早く治るので第1選択となるが、骨吸収も早いため多めに移植する必要がある。

他の部分から骨を削ってくる必要があるので量に限界があり、別途手術代として費用が発生する。

量が少ない場合歯問題ないが、量が多い場合は腫れが大きくなりやすく体へのダメージは大きい

特に大量の骨が必要な場合は入院手術で腰骨等からとる場合もあり、人工骨を利用した方がはるかに楽な場合がある。
人工骨移植
自分以外の骨を移植する方法

人工の骨のため既存の骨とのなじみが悪く治癒するのに時間がかかるため一時期人気が落ちたが、人工的に作った骨を移植するため他の部分の骨を削ってもってくる必要がなく体のダメージは少ないため最近見直されている

人工骨の費用ががかかるが、手術自体は簡単に短時間になる。

使用する人工骨の種類によっては感染リスクがある。

使用する人工骨の種類は以下をご覧ください。


  露出したインプラント         人工骨移植        6ヵ月後には骨と一体化



 
方法・材料 特徴
他家骨 死体から採取した骨を脱灰凍結乾燥した材料

骨提供者のスクリーニングと骨の処理過程から考えて感染の危険性は極めて低いと言われているが、ゼロではないため心配する人もいる。
もともと人間の骨なので既存骨とのなじみはとても良く、価格も比較的手ごろで人気は高い。
国産品はなく、日本では個人輸入にて入手する。
商品名:DFDBA、FDBA、Dynagraft、Puros Allograftなど
異種骨 ウシ由来無機骨

高温加熱処理を経て製造され、「検出可能な感染性無し」とされるカテゴリーの部位を使用される
BSEの危険性の無い部位(皮質骨)が原料ですから問題はないと言われている。。。
世界的に人気は高かったが、BSEの影響からイメージダウンしている。

国産品はなく、日本では個人輸入にて入手する。
商品名:Bio-Oss、NuOssなど
β-TCP 骨伝導能をもつ化学合成物質

『リン酸三カルシウム(Tricalcium phosphate:TCP)』として使用されるものとしては2種類の変態があり、その一つが『β-TCP』。
カルシウムのリン酸塩の粉末を加圧下、1000~1300℃で焼成されたもの。

『β-TCP』が生体内に移植されると、周囲の骨の細胞が『β-TCP』に入り込み次第に骨に置き換わっていく。
全部置き換わるには12ヶ月ほどかかるが、実際の治療では4ヶ月ほど経過すれば十分な効果が出ているケースが多い。

100%化学合成のうえ自分の骨に置き換わるため、感染リスクはゼロと極めて安全で最近は人気は急上昇。
国産品もあるが粒子がやや大きく使いにくい場合も。
Bio-Resorb classicの人気がとても高く、入手に時間がかかる。
商品名:Bio-Resorb、Cerasorb、Osferion(オリンパス)など
ハイドロキシアパタイト 骨や歯の主要な無機質成分

リン酸カルシウムを化学合成したもの。
人工骨として早くから使用されているため、入手しやすく価格も安い
骨と一体化するのにはかなり時間を要するため人気薄だったが、それを逆手にとり吸収しにくくするためにβ-TCPなどと混ぜて使用する方法が最近は注目されている。すでに混合して販売している人工骨もある。
100%化学合成のため感染リスクはゼロで、加工しやすい。
商品名:OsteoGen、Bone Source、カルシタイト
海藻由来リン酸カルシウム サンゴ由来の人工骨

組織学の研究において、骨補填材料が吸収されるとともに新生骨組織が増殖して、材料に置き換わって治癒することが分かっている。
注目されていたが、製造中止に。
商品名:C-Graft
※人工骨の種類によって成功率は変化がないと言われています

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