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  入れ歯は歯のないところに歯を作る治療方法として昔から利用されてきました。

 しかしその治療方法はインプラントと比較して、本当に安全かというと多くの疑問がありますので考えてみたいと思います。




1.入れ歯であごの骨は本当に安全?

 まれにインプラントをあごの骨に入れるのが怖いと言う方がいらっしゃいます。

 では歯肉に乗っている入れ歯では、あごの骨に本当に安全なのでしょうか?


 確かにインプラントのように外科処置は必要ありません。そういった面では、一見安全にみえます。

 しかし入れ歯の治療と言うのは、歯肉を圧迫するためあごの骨が年間0.5~1.5ミリも吸収してしまうのです。10年経過すると5~15ミリですから、恐ろしい量です。

 よく歯肉が痩せるといいますが、実は骨が痩せているのです。

入れ歯を作る前 入れ歯使用10年経過
(下あごの細さに注目)

 歯科医の中でも入れ歯であごの骨が痩せるということは常識ですが、これだけの量と聞くとあらためて驚かれるのではないでしょうか。

 インプランの場合でも周りがインプラント周囲炎(=歯周病)になれば、もちろんあごの骨がやせることはありますが年平均では約0.1ミリの吸収量と極微量です。

 また噛む力が刺激となり骨が増量することもあります。




2.上手な先生が作ると噛めて、下手な先生が作ると噛めない?



 インプラントと入れ歯の構造を考えてみてください。

 インプラントの場合、あごの骨に直接インプラントが結合しますのでビクともしません。ですから、噛めて当たり前と言えます。

 それに対して入れ歯の場合、あごの骨が薄い歯肉で覆われその上にプラスチックの入れ歯が乗ります。

 つまり、薄い歯肉は硬いあごの骨とプラスチックに挟まれている訳ですから、痛みがでるのも当たり前です。

 それでも入れ歯でよく噛める方は歯肉が厚いなど、入れ歯に対する許容度がとても高い方と言えます。ただ、日本人は歯肉が薄い方が多いので、入れ歯に痛みや違和感を感じる方が多いのです。

 よく噛めるという方でも噛む力を計測した実験では、天然の歯やインプラントに比べると60~70%の力しか出ていないことがわかっています(下表参照)。

 上記のような構造を考えれば、当然と言えるのではないでしょうか。

 もちろん、入れ歯自体は否定する気はありません。インプラントが出来ない方もいらっしゃいますし、有効な手段と言えます。

 ただ良く噛める入れ歯といえども、インプラントと比較するとどうしても噛む力は劣ってしまうのです。


 面白いエピソードがあります。

 ブリッジを支えている奥歯が割れていらっしゃった患者さんがいました。
 体を使う仕事で体格もとてもよい方で、えらも張っており噛む力がとても強い方と思われました。

 最初に入れ歯をお入れしたのですが、とても満足されていた様子で「違和感もなくてピッタリです」とおっしゃってました。
 しばらくすると噛む力でたびたび入れ歯が壊れ、やはりインプラントにと言うことになりました。

 噛める入れ歯というのも困ることがあります。

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